土佐備長炭

土佐備長炭

高知県で備長炭が生産されるようになってから、約100年が経ちました。

土佐備長炭は、温暖な地方の海岸部から山の斜面に生える、うばめがし(馬目樫)を炭材として使用しています。
窯出し(窯から炭を出す)は2週間あまり、長い時は1日10数時間かけて生産者の方が窯出しを行っています。

一般によい炭とは、堅くしまってひび割れが少なく、斧などで切断すると断面が甲殻状になり、たたくと澄んだ金属音がすると言われています。
悪い炭はしまりがなく、濁ったガタつく音がして断面もきれいではありません。

炭は一窯一窯、条件が異なるため、同じ炭にはなりません。なので生産者の方は、その時その時、今までの経験を活かして、その窯に合うように運転・操作をしているそうです。
また、うばめがしなど原木の種類や産地、生えている場所も炭の善し悪しに影響してきます。

明治時代の在来式白炭「大窯」跡

かつて、白炭・備長炭が盛んに焼かれた室戸市西山団地に、10年も前に活躍した「大窯」跡がありました。平安時代から伝統を受け継ぐ高知県独特の白炭窯で、紀州備長炭の技術が伝わる前の貴重な遺産です。
※窯の外へ出してから消化した炭を“白炭”といいます。

山中に眠る紀州備長炭式の窯跡

大正時代に使っていた室戸市吉良川町鞍馬谷の紀州備長炭式窯跡を昭和の初め、林員吉たちがこの窯と技術を研究し、量産可能で横くべ式の土佐備長炭窯への革命を成し遂げました。員吉は多くの製炭者を育て、昭和大恐慌に苦しむ村民を救いました。
※2000年代初め、窯跡は砂防工事で破壊されました。

土佐備長炭窯

昭和の初め、吉良川町の笠木山実験場で開発された土佐備長炭窯が土と石でつくられていましたが、最近はレンガでつくる窯が普及しています。

使用例

七輪や野外用コンロなどを使用する際のの燃料用や脱臭用、土壌改良用、水質浄化用など、多様にご使用いただけます。